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2話 皇女の溺愛と国王の呼び出し

작가: みみっく
last update 최신 업데이트: 2025-09-25 12:22:13

♢新たな店の相談と国王の呼び出し

「……ミリア、そんなに気を遣わなくても」

「気を遣ってなどいませんわ。当然のことですもの。あなた様は、わたくしの婚約者ですから」

 ミリアは、ふんっと鼻を鳴らしてそっぽを向いたが、頬はほんのりと赤く染まっていた。

「それに……ユウヤ様が“美味しい”って言ってくださると、わたくし……嬉しいのです」

 その言葉に、ユウヤは少し笑って、ミリアの頭を軽く撫でた。

「ひゃっ、……な、何をなさっているのですか! わたくしは皇女ですのよ!」

「でも、今は俺のかわいい婚約者だろ?」

「~~っ!……もぉ、ユウヤ様ったら!」

 ミリアはぷくっと頬を膨らませ、ソファの背に隠れるように顔をそむけた。だが、その背中はどこか嬉しそうに揺れている。

 その時、護衛の兵士が控えめに近づいてきた。

「皇女殿下、屋敷の外に商会の使者が……」

「今は“休息日”ですわ。わたくしとユウヤ様の時間を邪魔する者には、帝国法第七条を適用しても構いませんのよ?」

「は、はいっ! 直ちに追い返します!」

 兵士は青ざめながら敬礼し、足早に去っていった。

「……ミリア、ちょっと怖いかも」

「ふふっ。わたくしの“可愛さ”は、あなた様にだけ向けられるものですわ」

 だが、その空気を断ち切るように、控えていた兵士が、遠慮がちに再び声をかけてきたが今度はミリアにではなかった。

「……あの。宜しいでしょうか? ユウヤ様」

 その顔には、明らかに緊張の色が浮かんでいる。

「はい?」

 ユウヤが振り返ると、兵士は姿勢を正して告げた。

「国王様が、お会いしたいと……」

「そうですか……」

 ユウヤが応じるより早く、ミリアが一歩前に出る。

「わたくしも同行しますわ。ユウヤ様は、わたくしの婚約者であり、護衛でもありますもの」

 その声は静かだが、揺るぎない威厳を帯びていた。兵士は一瞬たじろぎ、すぐに深く頭を下げる。

「はっ、もちろんでございます、皇女殿下」

 ユウヤは、ミリアの横顔を見つめながら、(やっぱり一人にはさせてくれないか)と、少しだけ苦笑した。

(……さて。モンスターの件か、薬の件か――)

 どちらにせよ、軽い話ではなさそうだ。ユウヤは、ミリアと並んで歩き出す。その肩に、そっと寄り添うようにミリアの気配があった。

♢国王との謁見、そして「薬屋」の真実

 謁見の間かと思いきや、王族の控室に通されソファーに座った。柔らかく上質な生地が体を包み込み、その座り心地の良さに、少しだけ緊張が和らぐ。

「皇女殿下、そしてユウヤ殿。お越しいただき感謝いたします」

 国王は、ミリアに対しては丁寧に頭を下げ、ユウヤにも礼を尽くすように言葉をかけた。ミリアは、静かに頷いて応じる。

「ご丁寧にどうも。ユウヤ様は、わたくしの大切な婚約者です。本日は、何のご用件でしょうか?」

 その声は柔らかくも、皇女としての威厳を帯びていた。ユウヤは、ミリアの隣で黙って立ち、国王の言葉を待つ。

 国王の声が、控室に静かに響いた。その表情は、先ほどの騒動を収めてくれたユウヤへの感謝と、どこか困惑が入り混じっているように見える。

「あ……はい」

 ミリアも同席をし、当然のように俺の隣に座ると、すっと腕を組んできた。その金色の淡いサラサラのセミロングヘアが、わずかに俺の肩に触れる。国王の挨拶も言葉も完全に無視をして俺をチラッチラッと見て幸せそうにしていた。その青く透き通ったキラキラした瞳は、まるで子供のように無邪気な喜びを映している。

 王の後ろには見慣れないゴツい男性が立っていた。護衛にしては服装が普通で、帯剣をしていない。ゴツくて素早さは無さそうだが、格闘でパワー系なのだろうか。その体格は、まるで壁のように大きく、部屋の空気を圧しているようだった。

「モンスターの討伐をして頂き有難う御座いました」

「いえ……以前に同じモンスターを何体か討伐をした経験があったので」

「そうでしたか……あのモンスターをですか……」

 王様が後ろを振り返り頷くと、ゴツい男性が話しだした。その声は低く、しかしはっきりと響く。

「俺は……イヤ……私は、この王都の冒険者ギルドのギルドマスターをしている者で、最上級のモンスター討伐の功績を認め、国王様に勲章とSSS級の認定証の発行を推薦を致します」

 モンスター絡みの話か……それに認定証も要らないしなぁ……俺は薬屋なんですけど。正直、面倒なことになりたくない、という思いが頭をよぎる。

「あ……もう認定証も勲章も頂いてますし……」

「ユウヤ様、この王国では貰っていませんよ? それでしたら、わたしも認めますので、わたしの名前も追加しなさい」

 ミリアが、まるで当たり前のように国王に指示を出した。その口調には一切の躊躇がなく、国王は一瞬たじろいだように見えた。

「は、はい。直ちに」

 うわ。ミリアが王様を使用人扱いしてるよ……国王は、苦笑いを浮かべながらも、ミリアの言葉に従うしかないといった様子だ。

「やはり……SSS級の冒険者の方でしたか」

 ギルマスが納得をした感じで、胸の前で腕組をして頷いていた。その表情には、長年の経験からくる確信のようなものが浮かんでいる。

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